ktszkのブログ

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Heirloom Vegetable

ブルートマト。

青いとまと。

青い...とまと...?

こんな感じ↓

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真っ青、というよりは青黒いというか、青紫をもっと濃くしたような色。それはブルーベリーなどに含まれるアントシアニンという物質を多く含むからとか。紫外線の当たった部分が反応して青くなっていくのだそうだ。普通、トマトといえばあの赤いリコピンだけれど、このブルートマトにはリコピンだけでなくアントシアニンを含み、アントシアニンの抗酸化作用から健康機能性作物として注目を浴びているとな。甘さと酸味のバランスがよく、トマトらしい美味しさが味わえる。

 

うん。美味しい。

甘けりゃいいってもんではないということを美味しく味わえる。

そして美味しく健康になれるとは。いやはや。

しかし、青いトマトがこの世にあったのね。

初めて知ったときは驚きました。

 

実は、トマトと一口に言っても、世の中に数千種もあるらしい。

こんな形したトマトもある。

名前はゴリアス

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(出典:http://www.heirloom-tomato-farm.com/SHOP/zoomitem.php)

 

いかつい名前の通り、中々いかつい感じを出している。実はフランス留学中にマルシェでみたやつが、これだったんじゃないかと思っている。初めて見たときは、自分の知っているトマトじゃない...でも看板にLa Tomateて書いてあるこいつはナニモノ...? なんて思っていたんだけど、なるほど、こいつはトマトだったのね。と。

(参考:http://www.heirloom-tomato-farm.com/SHOP/tg0451.html)

 

こういったもののことをエアルーム品種というらしい。

いわゆる固定種というものだとか。

※但し、固定種の全てがエアルーム品種とは限らないとのこと。

(参考:http://www.heirloom-tomato-farm.com/hpgen/HPB/entries/11.html)

 

その土地その土地にあった品種を先祖代々守り育ててきたような、親から子へと固定した形質が受け継がれた品種のことをいうそう。日本では桃太郎が幅を利かせていて30品種ほどしか流通していないそうだけど、これだけ沢山の品種のトマトがあるのなら、全部食べてみたいものだね。(桃太郎流通の裏には、戦後の農地解放集約からの農協と種苗会社の役割分担などなど色々と関係しているらしい。詳しくはまた)。ちなみに余談ですが、日本で食されるトマトの75%は生食だけど、アメリカでは65%が調理して食べるのだそう。それだけでも、トマトって色んな可能性があるのかもしれないですね。

 

このエアルームトマトを広めるということが、もしかしたら日本の農業の生き残りに一役買うのではないか、という想いで取り組んでいるのが、冒頭のブルートマトを作っている石井さんという生産者さん。大規模化大量生産化とは間逆をいく手法なわけだけれど、その土地でしか作られずその土地でしか食べられない、だとか、あの人にしか作られずあの人が作るから美味い、とか、そういった価値が個性を生み多様性の中で輝くんじゃないかと(トマトの場合、品種よりも生産者の差異の方が出来に差が出るのだそう)。けーたにしか作られないトマトがあったとしたら、それってすごい個性よね。おまけに美味けりゃ売れるわね。

 

これってきっとトマトに限った話ではなくて、僕自身にも言えること。「ヒトと違う」ことに価値がある。皆違って当たり前。一人ひとり歩んできた道も違うんだから当たり前のことなんだけれど。エアルームトマトから自分のことに引き寄せて考えてしまうあたり、ブルートマトに羨望の念を抱いていたりなんかして。実は小さい頃はトマトが大の苦手だったんだけれど、まさかこんな念をトマトに抱くようになるとはね。自分も年をとったものだ。そんな自分は美味しく出来てるかしら。

 

自分について言えば、まだまだ熟すには早すぎる。むしろ年を重ねるごとに己の未熟度を思い知らされている。出来ないことより出来ることに目を向けたいのだけれど、それが中々難しい。正直自分が何色なのか、よくわからない。今の自分にとっては、隣のブルートマトがとっても青くみえる。せっかく先日またひとつ年を重ねたわけだから、周りに惑わされること無く、いま一度自分の色に磨きをかけて見極めていきたいと思う26歳成りたての秋です。